イタリアで学んだこと。

パラジャネッロの町はグラヴィーナ・イン・プーリア(谷)に隣接する。

プーリアでは2ヶ月の間、2つのお店と1つの肉屋で働かせてもらうこととなった。そこで出会った全ての料理を覚えているし、調理場での体験は今の私の仕事の基礎になっている。

しかしながら、レシピ以上に大きかったものは、豊かな自然と、それを享受する生き方だった。

ペッペズッロでは、そこで育てている牛、豚、鶏などから卵をもらい、乳からチーズを作り、そして肉としていただく。畑ではレストランで使われる全ての野菜が作られ、山では野生のアスパラガス、キノコ、花などが摘まれ、厨房に運ばれる(シェフのペッペ自ら!)。

今では形骸化した「ハウスワイン」という言葉も、ここではそのままの意味で生きている!

ブドウ畑とホテル

料理は見慣れないものも多かったが、技術的に高度なものはそれほど多いとは思わなかった。つまり、調理技術とレシピは大した問題ではなかったのだ。

あくまでシンプルな調理で素材が活きていた。過剰な味付け、香り付けもなく、味を重ねすぎることもなし。それが美味しいし、喜びを感じる味だったことが今でも心に残っている。

では、何がペッペズッロの料理を、プーリアの片田舎のレストランに他の国からも客が訪れるほどの価値のあるものにしているのか?

そのひとつは素材であった。何よりも素材。何よりも新鮮なこと。Km 0というムーブメントだった(食材を敷地内で調達するということ。キロメートル・ゼロ)。

もうひとつは、風景。土、緑、動物、それらがある土地の圧倒的な感動があったのだった。これはもうここでしか味わえない感動である。

この滞在が気づかせてくれたことは、土が料理のスタートになり、また価値を高める、ということだった。それはもしかしたら過去には当たり前のことだったかもしれない。しかし現代日本の飲食業界では薄れゆく意識だった。


プーリアでの滞在、そこから鈍行列車で北上し、都市を巡り、日本に帰った。(他の店での研修や、色々な話があるがそれはまた別の機会に…。)

それから、今私がペッペズッロを目指す途中で取り組んでいることを少しずつ話していきたいと思う。

続く

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