今回はプーリアの土地や農産物、おすすめワインの紹介をしてみたいと思います。
前回の記事で書かせて頂いたように、オレッキエッテは家庭料理です。各家庭でおばあちゃんが作るものであり、おばあちゃんによるものこそが最高のオレッキエッテとされています。
マンマの味ではなくノンナ(おばあちゃん)の味なんですね。熟練の技というところでしょうか。あるいは、1日の過ごし方に最もゆとりがあるのがおばあちゃんなので、その分丁寧に作れるということもあるかもしれません笑
実際、このパスタは椅子に座って穏やかな気持ちで作る必要があります。焦っていると生地が破れたりするので、雑には作れません。仕込みの忙しい合間に、深呼吸をして臨みます。
おばあちゃんや女性が作る方が良いとされるのは、指の大きさも影響します。指で窪みを作ったり、指の頭に生地を被せる工程があるので、指の大きさによって一粒のサイズが変わってきます。
しかしこれは地域性があり、一粒が小さい方が良いとするところと、大きく作る地域のそれぞれがあるので、一概には言えません。正直なところ家ごとに違う場合も…。(私の印象では、山がちなフォッジャ県は小さめ、海沿いのバーリ、ターラント県は大きめなイメージです。)
プーリアという土地は中世の時代からそれほど豊かなところではありませんでした。
さまざまな国の支配下に置かれてきた歴史を持ち、領主に重税を課されていたことなどから農民の暮らしは慎ましいものでした。
アルベロベッロのトゥルッリなどはそれを象徴するものです。モルタルを使用せずに石灰岩をただ積み重ねただけの小さな小屋は、領主がすぐに農民たちの家を壊させて、国王からの課税逃れをするための造りでした。
対して温暖な地中海気候により自然は豊かです。”3つの海の交わるところ”と称されるターラント湾は、海流が交わるために栄養豊富な海域であり、ムール貝をはじめとする海産物の質はイタリア随一です。
ブドウやオリーブの生産量はイタリア1,2を争う州で、町と町のあいだにはひたすらブドウかオリーブの木が並んでいます。
大量に生産するものの、バルクで安酒として売っていたり、他の州のメーカーに売っていたりしていた時代が長く、プーリア州のブランド力は低かった。近年品質に重きをおいて地域性を発揮しようという試みたりするメーカーや、今まで埋もれてきたワイナリーが自然派ワイン人気とともに世界から注目されるようになりました。
【6本〜送料無料】アン 2018 ナタリーノ デル プレーテ 750ml [赤]Anne Natalino Del Prete [自然派]
価格:2,332円
(2022/7/23 22:11時点)
感想(0件)
約10haのブドウ畑を所有し、自然&微生物環境を守るべく、化学農薬を使用せず、無施肥、耕転も基本的には行わない農業を実践、ネグロアマーロ、プリミティーヴォ、マルヴァジーアネーラ、アレアーティコなどを栽培。ヘクタール当たりの収量も3トンに満たないそうで、プーリアという地域であることを考えると異様なまでの低収量。セラーでは、ブドウをプレスする際にごく少量の酸化防止剤を使うのみで、無濾過、無清澄でボトリング。セラー自体が広いガレージのような造りで、一切の冷房施設がないため、温度管理が可能な状態のセメントタンクを使用して醗酵を行う。圧搾後は地下に埋め込まれたセメントタンクで保存、ボトリングはオーダーが入ってから、1本1本手詰めで行う。(輸入元案内より)
南イタリアを代表する品種、ネグロアマーロ。樹齢80年を超える古木から作られる価値あるワイン。
カルカリウスなども人気ですが、品薄でなかなか手に入らないですね…。あと白ならこちら。
価格:4,004円
(2022/7/23 22:23時点)
感想(0件)
概してズシッ、マッタリとした白ワインなのがプーリアなのですが、こちらは非常に上品な酸の引き締まったワイン。
生物多様性を意識した畑づくりをする自然派ワイナリー。
グッタローロさんは、一度失われかけたプーリアの土着品種、ススマニエッロもあります。こちらもぜひ試して欲しい逸品です。
プーリアワインはそのクオリティに対して比較的リーズナブルですが、今後人気の上昇とともに値上がりしていくでしょう。
また、ペッペズッロのように自前のワインを持つレストランや、各家庭で作るワインもあります。
カルメロという友人の家に招かれた時に、自家製ワインを頂いたのが忘れられません。パワフルな味わいでした。それがコーラの1.5リットルペットボトルに入っていたこともあわせて…。